3月上旬、あるドイツ人から「PHP4.4.9のパッチを書いてくれないか」という相談メールが届いた。「2週間以内にPHPのあるバグをふさがなければならないのだが、Cの知識がないので、バグ報告者であるiwamotにパッチを書いてほしい」というのだ。
「私だってCの知識はないし、PHPのコーディングを工夫すればバグをふさぐ必要もない」などと返したのだが、どうしても書いてくれというので、「うまく書けるかどうか保証はできないし、そもそも期日に間に合うかどうかわからない」と断ったうえで、トライすることにした。どこの馬の骨だかわからない私に頼るぐらいだから、そうとう切羽詰まっているのだろう。
パッチはなんとか書けたので、先方に送り、テストしてもらった。「意図どおりに動いているので、これを使うことに決めた」との返事が来た。
先方はずいぶん喜んでくれたようで、「報酬としてiPadを送ろうか、iPad 2がいいか、それともGalaxy Tab 10.1Nにするか」などと提案してくれた。だが、私は「今度ドイツに行ったときにランチをおごってくれるだけでいいよ」と冗談めかして返した。正直にいえば、住所を教えるのが怖かったのだ。
「そのかわり、パッチを公開していいか?」と聞いたら、「6週間待ってくれ、そして自分の素性は明かさないでくれ」との返事だった。それで今日書いたのがこの記事である。