結論はない。普段ぼんやり思っていることを書く。
Webアプリケーションにとって、すぐれたデザインとはどのようなものか。
- 使ってみたくなるデザイン
- 使い心地のよいデザイン
僕がこれまで作ってきたのはイントラネットの業務システムばかりだ。営業担当の意見を聞くかぎり、「使ってみたくなるデザイン」かどうかが売上に直結していて、重要なのらしい。機能はほとんど触れられず、見た目のイメージで受注/失注が決まることが多いそうだ。
そういうシステムにはユーザ登録を促すページがないから、機能そのものが「使ってみたくなるデザイン」になっているかどうかが重要ということになる。そして、一度買われれば数年はリプレースされることはないから、たとえ「使い心地のよいデザイン」になっていなかったとしても、数年分の保守費をいただけることには変わりない。
とはいえ、リプレースされるよりは継続して使ってもらえるほうが嬉しいわけで、「使ってみたくなるデザイン」かつ「使い心地のよいデザイン」を目指すのが理想ではある。
問題は、デザインセンスが人によって異なる点だ。同じデザインを見ても、ユーザAは「使ってみたい」「使い心地がよい」と思うだろうし、ユーザBは「使いたくない」「使い心地が悪い」と思うだろう。ユーザCは「使ってみたい」が「使い心地はよくない」と思うかもしれない。最初は「使ってみたくならなかった」が、意外と「使い心地がよかった」というユーザDだって想定できる。
全員は無理でも、できるだけ多くの人に「使ってみたい」「使い心地がよい」と思ってもらいたい。どんなデザインだったらそう思ってもらえるのか。ユーザビリティを追求すれば、必然的にそうなるものなんだろうか。
佐藤可士和デザインのセブンイレブンのコーヒーマシンみたいに、わかりづらいのがダメというのは僕でもわかる。
追記(2014-12-10)
鈴木健一さんのスライド「サービスにおけるビジュアルデザインの役割」を見て、ぼくの興味に近いなあと思うとともに、28ページのビジュアルデザインは軽薄に感じられるなあとも思った。ただ、軽薄に感じる人が多数派なのか少数派なのか、ぼくには分からない。結局、デザインを決めるときには、自分のセンスを信じるしかない気がしている。