以前のブログで書いた「直交する」という記事に対し、反論めいたツイートを見つけた。
「直交」を「ぜんぜん違う意味」「無関係」と捉えるのはおかしい気がする。「直交」は関係性にまで言及していない。
うーん。「直交」は、ある関係性を示す形容語のはずだ。少なくとも、数学用語の「直交」はそうだ。
小飼弾さんが書かれているように:
ここで Non Geek のために直交を解説。これ、おそらく数学でいう所のOrthogonalが素だと思われる。これを拡張して、互いに独立している--依存関係がないことを英語でもこう呼ぶようになって、それが日本に直交ならぬ直輸入されたようだ。
というのが実情だろう。
ただ、仮に英語の orthogonal が日常語になっていたとしても、日本語の「直交する」はそうではない。ぼくの知るかぎり「依存関係がないこと」といった語義は辞書には載っていない。
直輸入されてしまった理由は、ひとつに「適切な訳語が思いつかなかったから」、ふたつに「なんとなく賢そうな感じだから」といったところだろう。いずれにしても迷惑な話だ。
Wikipediaのアスペクト指向プログラミングの項には「オブジェクト指向とは直交する概念である」とある。これを読んで理解できるプログラマがどれだけいるのだろうか。「オブジェクト指向であってもなくても、アスペクト指向プログラミングは可能である」と書けば誤解の余地はないのに。