Bootstrapドキュメントの日本語訳に着手しました。翻訳が完了したのはトップページのコンテンツのみです(ヘッダとフッタは未着手)。今は https://bootstrap-docs-ja.netlify.com/ で公開していますが、首尾よく進めば独自ドメインで運用するかもしれません。

着手したのは複数の理由によります。

  1. 継続的にメンテナンスされている日本語訳がなかったから
  2. OSSの翻訳の仕組みについて理解を深めたかったから
  3. 「鶏口牛後」を試してみようと思ったから

1. 継続的にメンテナンスされている日本語訳がなかったから

Bootstrapドキュメントには、継続的にメンテナンスされている日本語訳がありません。想像するに、翻訳者側が翻訳の仕組みを整えなければならないからだと思います。ドキュメントには下記のように書かれています。

We don’t help organize or host translations, we just link to them.

https://getbootstrap.com/docs/4.0/about/translations/

翻訳の組織化やホスティングにはコミットしないということですね。それ自体は開発者の判断によるものなので、良いも悪いもありません。

2. OSSの翻訳の仕組みについて理解を深めたかったから

このようなドキュメントに対して、継続的に日本語訳を提供するにはどういう仕組みを整えるべきなのか。その点に関心があります。

特定バージョンのドキュメントだけを訳せばよいのなら、力業でなんとかなりそうです。が、Bootstrap の開発が進めば、当然、ドキュメントも更新されていきます。

その点を踏まえて、下記の構成で翻訳を進めることにしました。

  • GitHubリポジトリ:Bootstrap のリポジトリをサブモジュールにしています。更新を取り込みやすくするのが目的です
  • Transifex:翻訳プラットフォームのひとつです。CLI で翻訳リソースを送受信できます
  • Netlify:コンテンツのホスティング先です。Jekyll でのビルドもしてくれるので便利です

Transifex も Netlify も、GitHub のブランチを指定して作業できます。なので、翻訳元が更新されても論理的には追いかけられるはずです。

本当にこの構成で日本語訳を継続的に提供できるのかどうか、作業を続けながら見極めていきたいと思っています。

3. 「鶏口牛後」を試してみようと思ったから

最近、まつもとゆきひろさんが若手ITエンジニア向けの講演会で「鶏口牛後を意識しよう」とおっしゃっているのを知りました。大集団の末端にいるよりは、小集団の長になろうということですね。

すでに若手でないぼくは、ずっと牛後を好んできたのですが、まつもとさんがおっしゃるからには、鶏口を試してみる価値はありそうだと思うようになりました。そんなとき、Bootstrap ドキュメント日本語訳に決定版がないことを知ったのです。「これは鶏口のチャンスだ!」と思いました。もろもろ整理できたら、翻訳に参加していただける方を募ろうと思っています。

といっても、PHP や Django のドキュメント翻訳をやめるわけではありません。人生は一度きり、気になったらあれこれ試してみるのが性分なのです。どれも実を結ばない可能性も大いにありますが、それもまた人生でしょう。